社会保険適用拡大に難色 全国ビルメンテナンス協会

 BM協会の内容ですが、警備業の労働待遇に関して非常に共感できる内容が多く、ぜひ一読下さい。

 BM協会の述べた意見、警備業界が述べる意見より格段に質が高く、非常に的を得た内容だと関心しました。

 と、表現するとご同業から批判があるかも知れませんが、ご勘弁を。

 これほど的を得た意見を警備業界から見ないもので・・・
警備新報 2011/11/15記事 より抜粋
 BM協会は、10月27日社会保険審議会の特別部会のヒアリングに招請され、パート労働者への社会保険適用拡大に反対する立場から意見陳述を行った。
 BM協会は、厚生年金と健康保険に加入できる労働条件を週30時間以上から週20時間以上に緩和した適用拡大は、労使双方にとって大きな負担増になるとした上で、発注側が人件費を物品費として扱っている公共調達の問題点を指摘するとともに、保険料負担を担保できる発注金額を確保できる制度を設けるべきだと主張した。
<主な主張内容>
・パート労働者が63万人いるが、低賃金のパート労働者の比率が年々上がっている
 その原因は、
 景気後退による契約料金の値下げが大きい。
 最低賃金が年々上昇し、社会保険料の負担も増えている。
・新たな懸念の発生
 適用拡大がされた場合、パート労働者の約4割が新たに適用対象となるとし、雇用整理や短時間労働へのシフトを招く可能性を指摘。
 「ビルメン業界全体では約700億円の企業負担増が見込まれる。業界には赤字企業も多く、社会保険の適用拡大はビルメン企業にとって生死に関わる問題である。なんらかのセーフティネットなど、経過措置がなければ企業として成り立たなく。」と訴えた。
 社会保険適用を巡って業界では、雇用契約から個人請負契約に切り替えたり、法令違反を承知で国民年金に加入させるといった事例が起きている。と報告された。
 また、適用拡大された場合、必要なセーフティーネット等の内容は、
 「保険料を支払える発注額を確保・保証する制度が必要。先日、地方労働局発注物件で最低賃金を割り、厚生年金保険料も支払えないような発注を認める事例があった。一方で安くやれ、一方で保険料を支払えというのは矛盾している。」と訴えた。
 さらに公共調達における人件費の扱いについては、
 「人件費が物品費と同様に扱われていることが問題。一般競争が原則となり、極端にいえば1円入札でも良いというのが現状。」と訴えた。      抜粋終了。


 これを見て、まさに警備業も同じ。

 BM協会は社会保険適用拡大に対して適切に主張を行ったと感じるご同業の方は多いのではないでしょうか?

 労働者・警備員の待遇改善こそ、管理人こととある警備員指導教育責任者の最大の目的です。

 しかし、ビルメン業と同じく多くの警備業務では特別に必要となる技術等が必要なく、その入札は価格競争となりがちです。
 このため、業務確保を優先する・コスト計算をしない・モラルのない会社等理由は様々ですが、入札価格が最低賃金と同一であるなど、薄利やマイナス経営である等の実体が横行しています。

 このような現状で、社会保険の適用拡大は更なる悪化を招くのではないでしょうか?

 具体的には、
・個人請負契約の増加
 雇用契約から労働者を個人事業主に切り替えることによる社保逃れ。

・労働時間の短縮(週20時間以内)
 労働が減らされることによる更なる所得の低下。労働者は、雇用保険まで適用されなくなる懸念。

・賃金の引き下げ
 社会保険を加入させることにより、事業主負担分を給料引き下げによる実施の懸念。

・警備会社、分社化の再横行の懸念
 社会保険を逃れのため、会社を2つに分けて同一労働者を2つの会社で雇用し、社会保険を逃れる方法。

 これにより警備業全体の信頼が損なわれる懸念。 等々。


 今必要なことは、現状で警備員・労働者を苦しめている社保逃れ等の不法行為を徹底的に是正し整理すること。

 これにより、すべての経営者に対して法定福利は必要経費であることを再認識させ、自らの業界の首を絞める行為を排除することではないでしょうか?


 と、思う今日この頃です。

 他の業界を心配できる状態ではありませんが、BM業界も大変ですね。

 警備業の改善とともにBM業界の改善をお祈り致します。
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コメント

まったくもって!

激しく賛同ですι(`ロ´)ノ
全警協にビルメン業界並みの意見陳述を期待しても無理・・・
なぜなら20年前から“警備員の待遇改善”をお題目のように唱えるだけの能無しイカレポンチの協会だから(爆)

>まったくもって!

キムニールさん、コメントありがとうございます。
ざっくり言い切っちゃいましたね^_^;
現状を嘆いてもしかたありませんし、お互いにできるところからコツコツがんばりましょう(^^♪

キムニールさんに1票!

 法定教育用のネタを探しておりましたら、この記事に行き着きました。アップして下さった「とある警備員指導教育責任者」様もすごいですが、なんといってもキムニールさんのコメントに激しく同感!!やっぱり協会の上のほうが警察の天下りだから、イマイチ警備員の生活の実態がわからないのでしょう。また、記事にもありましたが、入札なんかの資料を見るとホントに警備員って「物」扱いですね。そういう考え方が変わらない限りは、警備業は今より衰退するのは明らかな気がします。全警協のお偉い様方、私たちは人間扱いされてないんですよ~……(しくしく)

No title

せきゅりちすとさん、はじめまして。
 この記事に共感頂けるコメント嬉しく思います。警備新報で最初にこの元記事を見た時、警備新報はなんと素晴らしい記事を取り上げたであろうと感銘を受けました。
 ぜひ経営及び労務管理に関わる者。指教責等の少しでも意見を述べれる立場の同志が共通の認識を持ち、今後の改善に少しでも役立てばと切に願っています。
 お互い、それぞれの立場で前を向いてがんばりましょう。
 ただ一つ申し添えておきたいのですが、私は待遇問題はまさに「ニワトリと卵」。業界団体である協会の役割はとても重要ですが、纏まりのない各警備会社側に・・・と感じておりとても難しい問題であると考えています。
 故に、管理人としては特段協会を批判する意図ではありませんので。ただ、キムニールさんのコメントを否定もしませんけどね。
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