待機時間の取扱い 労働基準監督署 警備会社に立入調査 東京都

 東京都において5労働基準監督署が中小警備業に対する監督指導を強化。

 立入調査に踏み切り機械警備の対応などの待機時間の一部を労働時間に含めていないケースを指導。
 今年最初の記事は、なんとも言い難い警備業における待機時間の取扱い問題です。

 本来は行政による立入指導に関し、警備業の長期的な改善のため歓迎すべきことなのでしょう。

 しかし、こと警備業において、業務の性質(目的)から施設常駐警備・機械警備・現金輸送等警備の種類を問わず、休憩時間でも問題が発生したときにはその対応が求められる職業です。

 これを、警備員(警備会社も)が休憩を理由に拒むことは事実上不可能です。

 また、夜間における機械警備・施設警備において杓子定規に休憩(仮眠)時間を明確に定めるということは、その為に代替要員の勤務が必要となります。

 休憩・仮眠の数時間ために、深夜に短い時間勤務する者が必要という理屈になります。

 多くの警備会社で、待機時間が多い警備業務では警備員の休憩(仮眠)時間を弾力的に運用させてもらう代わりに、勤務時間(休憩以外の時間)についても一定の配慮を加えた運用がなされていると思います。

 休憩を明確にすることにより、警備員の労働時間が現状以上に不規則なものとなり、

 さらには休憩を除いた長時間に渡る勤務時間について厳しい取扱いにが予想されます。


 行政の指導内容はごもっとも。

 しかし、警備員の自分としては、まず現状の警備員の勤務が過酷とならないか大きな懸念を抱きます。


 警備業の休憩の取扱いについては、

 労働基準法第41条 労働時間等に関する規定の適用除外
  3項 監視又は断続的労働に従事する者に対する適用除外

 に関する柔軟な適用。

 その上で拘束時間に対する労働時間と休憩時間の按分比率について指導して頂きたいものです。


 今回の記事は、個人的な見解を大きく含んでいます。

 管理人こととある警備員指導教育責任者の法律に関する軽視であると考える方も多いかと思います。

 本件は、急激な変化は良くも悪くも大変である。という趣旨であり、長期的には行政の指導の通り曖昧な労働時間と休憩時間の運用が一掃されるべきだと考えていることを、申し添えておきます。


以下、労働新聞 平成23年12月26日 記事より抜粋
・「警備業へ監督強化」
 多摩5労基署が連携 待機時間の取扱い問題
 東京の八王子・立川・青梅・三鷹・町田の5労働基準監督署は、中小警備業に対する監督指導を強化している。
 (社)東京都警備業協会多摩地区分会と共同で集団指導を実施したほか、複数の労基署で立入調査に踏み切っている。機械警備対応などで待機時間の一部を労働時間に含めていないケースが多い。
 三鷹労基署によると、立入調査では多数の事業場で割増賃金関係の違反が確認されたほか、試用期間中の時間給が最低賃金を下回る事業場も発覚している。
 とくにめだつのが機械警備対応などの待機時間問題で、休憩時間も「待機」の状態にあるにもかかわらず、労働時間に含めていないケース。この場合警備員は連絡を受けるとすぐに出動しなければならず、使用者の指揮命令下から離れているとは言い難い。
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コメント

私は歓迎するけど。

私も一人常駐の施設警備員です。
赤外線センサーが古くて、風がきつかったり雨が降ったりすると誤報でるし、その会社の社員が深夜残業をしたり、忘れ物をしたと夜中2時3時にやってきたりするし、早朝は荷受やゴミ回収のために確実に5時半にはおきて解錠しないといけない。
4時間ある仮眠なんてロクに取れません。
でも、拘束時間15.5時間のうち、労働時間は8時間。
もし最低賃金を7.5時間の休憩時間に適用されると、たちまち給与は倍近くなります。現状は最低賃金より少し高いぐらいだから。
訴えてみようかな、と考える今日この頃。
過去2年間分もらえるなら、弁護士費用も出す価値あるかもね。

>私は歓迎するけど。

 管理人です、こんにちは。
 >拘束時間15.5時間のうち、労働時間は8時間なのに仮眠が不十分
 これはきついですね。
 拘束時間が長いことは、就労条件により致し方がないです。
 にしても、長時間の拘束時間に対する労働時間が少ない分、杓子定規と言えないまでも休憩時間に見合う分の休憩が確保されいないのはあまりに不合理ですね。
 しかし、自分から労使紛争を起こすのは言うは容易いですが、かなりの労力が必要。
 一旦揉めると後に尾を引きますから難しい問題です。
 一番良いのは自分と言う特定者でなく、自身の会社や周辺の会社で行政の立入対応で自然に解決するのが一番望ましいのですけどね・・・
 密告程度で行政が動いてくれるかは難しいでしょう。
 上手く解決出来ることをお祈ります。

もう少し愚痴らせていただくと

残業割り増しについても、異常で。
去年までは、臨時警備については別枠となっていて割増給がつかなかったんです。
通常は一ヶ月177時間を越えたところから割り増し付かないといけないのですけど、臨時警備枠は別枠だからということで割り増しにならなかった。
自分は個人事業主として請け負っているわけじゃないとクレームしたのですが、無視されました。
それが会計士だかなんだかの指摘で、今年からまとめて177時間を超えた場合は割り増しになるとなりました。
で、普通の会社であれば最低過去に年間にさかのぼって清算されるべきなのですが、過去分はやはり無視です。
ちなみに、私が常駐している施設も月に二度ばかり休業し、その日は24勤務になります。
ところが、昼間の8時間は臨時警備扱いになるんです。
同じ場所で仕事しているんですけど、別枠。だから残業ではないと言われてしまっていました。
やってられないですね(涙)。
正面切って請求すれば、配置換えになるんだろうなと思うし、それどころか退職せざるを得ないのかもしれないとも思います。
でも、退職金としては十分かなw
もらえたらの話ですけどw

事務方でも休憩時間が待機時間

はじめまして。
いつも興味深く読ませて頂いてます。
年末に深夜業務を単価1,000円で若手をと、営業が言ってきたのを思い出しました。最低賃金×深夜割増でも苦しいのに、社保に入ってる若手を勤務させたらどれだけ赤字になるか・・
警備業務では休憩時間も待機にならざるを得ないのですから、請負単価の底上げの後なら、労基の言う事もごもっともと言えますけど、現状では・・・難しいです。
私の会社では仮眠時間の給与はもめる元なので、仮眠有の業務は請負ってません(利益計算も給与計算も私の業務なので)
で、現場毎の利益計算をするので、安く請負ってしまった臨時警備に関しては、時間計算に含まず、1日いくらでお支払する事はたまにあります(所定外割増まで払えないこともあるので)
配置する前に、この日は一日◎円でお願いと言いますけど、訴えられたら負けますね~

No title

>警備員指導教育責任者ですが、何か^^さん、こんにちは。
 労務管理側としての心中お察しいたします。
 コストバランス問題と警備員に日々の業務確保しなければいけない状況。非常に良くわかります。
 私がこのようなことをことを書くことは本来あるべきではないのかもしれませんが、
 >時間計算に含まず、この日は一日◎円でお願い
 という方法は、どの業界でも横行しているやり方です。
 決して肯定できる方法ではありませんが、間に挟まった立場の物からすると現状できる唯一の方法ではないかとも思います。
 正直、お願いする方も気持ちの良い仕事ではないでしょう。お疲れ様です。
>??さん、こんにちは。
 愚痴りたい気持ち、お察しします。
 現在の雇用情勢や自身の状況を考えると、思いを飲み込まざる負えない状況お察しします。
 しかし、他の業界を見ても中小の下請企業では似たか寄ったかの状況。経済が右肩上がりの時代は、警備業も末端まで待遇が良かったのですけどね~。
 嫌なご時世です。
 少しでも改善に向けた実感でもあると気が休まるのですけどね・・・
 そうそう、掲示板に愚痴ともいうべき嘆きのスレッドがあります。よろしければそこにお越し下さい。
 他の状況を聞くとなんとなく気が休まるということもありますので。
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