本内容はセキュリティタイム2014年8月号を元に紹介しています。
詳しくはセキュリティタイムをご覧ください。
現在の警備業法(平成16年改正)において、
建前上、警備業は消費者保護の観点(苦情問題)から
警備業法第19条により、契約前書面、契約後書面が必要となり、
依頼者の保護に関する内容が厳しいものとなりました。
この改正内容により各警備会社では事務が煩雑になった一方で、
昨今の社会情勢の変化によるクレーマー等の問題が大きくなるなか、
暴排を除いた一般からのクレームに関する備えについて、
警備業界の動きを感じることがありませんでした。
今回の石川県警備業協会の研修会では、
・クレーマー対策は、必要なコストの一部であるとの意識、認識
・周辺状況等についての、事前調査によるリスク分析
・クレーマーに関する窓口の事前設定
・従業員、下請けなどの対応を統一
・初期対応のまずさが、クレーマーをモンスター化する
・不当要求に対しては最初から明確に拒絶
・契約者との情報共有化。
・公共工事では行政との対応を一本化。
・道義的責任と法的責任を明確区別
等が説明されたとのことです。
現在の警備業法が施行され早8年。
警備業法でクレーム等に事前の備えが厳しいなかで、
警備業者側も時代に応じた必要な備えとして、
同様の取り組みが全国的に展開されることを期待したいですね。
なお、
警備業法第19条による契約前書面、契約後書面については、
事務手続き上非常に煩雑ですが、法改正により加わった新たな必須となった書面です。
施行直後、煩雑な事務作業により実施が遅れた警備業者も多いかと思いますが、
公安委員会等による立入等で確認され、行政指導・処分等の対象になる必須の書類です。
2号警備(交通誘導警備)などで1日限りの業務であっても、
契約前書面、契約書、契約後書面は必要であり、
作成にかかる事務手続き、及び印紙代や書類作成に伴う事務費がかかります。
未だ整備が不十分な警備業者にあっては早急に整備が必要であるとともに、
書類作成にかかる費用についても警備料金に転嫁しなければなりませんので、ご注意下さい。
参考法令:警備業法
(書面の交付)
第十九条 警備業者は、警備業務の依頼者と警備業務を行う契約を締結しようとするときは、当該契約を締結するまでに、内閣府令で定めるところにより、当該契約の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2 警備業者は、警備業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該警備業務の依頼者に交付しなければならない。
一 警備業務の内容として内閣府令で定める事項
二 警備業務の対価その他の当該警備業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額
三 前号の金銭の支払の時期及び方法
四 警備業務を行う期間
五 契約の解除に関する事項
六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 警備業者は、前二項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該警備業務の依頼者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該警備業者は、当該書面を交付したものとみなす。
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