ふじみ野市プールで女児が吸い込まれ死亡した吸水口事故から10年 事故概要をまとめました。

 10年前(2006年)の7月31日、

 ふじみ野市立大井プールにおいて当時小学2年生(7歳)の女児が流水プールの吸水口に吸い込まれ死亡する事故が発生しました。

 このプール吸水口での死亡事故は、その後のプール安全管理に非常に大きな影響を与えました。
 事故当時、救出に非常に時間がかかり、重機を用いた救出作業の報道について記憶にある方も多いと思います。

 また、事故に至ったずさんな管理内容などの報道を聞き、憤りを感じた方も多かったのではないでしょうか?

 この事故では、

 ・市及び受託業者の管理上の問題

 ・安全上非常に重要である吸水口の不備

 ・直接プール監視を行っていた監視員の対応の悪さ。

 事故を未然に防ぐ機会は何度もあったにもかかわらず、発生した事故でした。


 特に吸水口(排水口)等の安全対策については、過去に通達や指針が示されていたことでした。

 事故後、吸水口(排水口)等について全国のプール施設において安全点検が一斉に行われました。

 当時あまり話題にされませんでしたが、この点検において吸水口(排水口)等の防護柵等について基準を満たしておらず、夏期のシーズンの最中に改修が行われたプールも多くありました。


 プール監視員についても、それまで必要な知識・研修について実態では救急救命講習の受講が重視されていました。

 しかし、事故をきっかけにプール構造等の基本的な知識。また、知識から派生させる安全設備等に関すること。水場特有の事故の特徴と初動対応(ポンプの停止手順)の方法など実態に即した研修等も重要視されるようになりました。


 行政等の管理では、仕様書に基づく業務内容を確認するため、プール監視員の救命講習等の受講証明書や、教育記録等の確認を行うようになりました。

 この行政の変化については、ふじみ野市プール事故において市の職員2名(体育課長 禁固1年6月 執行猶予3年、体育課管理係長 禁固1年 執行猶予3年)が判決を受けたことが大きく影響を受けていると感じられるものでした。

 当時、市職員の判決について、行政の構造上の問題もあるなかでの担当者の責任について疑問を感じる方もいる中、犠牲となった女児の責任について誰にあるのかが問われ、様々な立場の人が考えさせられるものでした。
 何れにせよ、その後の行政のプールの安全管理に大きな影響を与えたことは間違いありません。


 事故から5年となる平成23年には、事故のあった7月31日を特定非営利活動法人 日本プール安全管理振興協会は「プール安全の日」と定めました。

 事故から10年、

 現在でも防げるはずの痛ましいプールの事故は繰り返されていることが残念でなりません。

 プールの事故について、防げる事故をなくすため、プールの安全管理に関わる者は決して忘れてはならない事故です。


 末筆となりましたが、亡くなった女児のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご家族に謹んでお悔やみ申し上げます。


 事故の概要については、

 プール監視員の道 > プール監視の事故と歴史 > 水難事故の発生件数

  > ふじみ野市プール吸水口死亡事故の概要
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