事故があったシャッターは幅7.3メートル。
屋内駐車場の出入り口に設置されており、出入り口内側の開閉ボタンで操作するもの。
防犯カメラによると、
警備員はシャッターが半分ほど降りた状態で原付バイクにまたがり、シャッターのボタンを操作しているところが写っていた。
警備員は、シャッターボタン操作後にバイクに乗って外に出ようとシャッターの下をくぐろうとし、下りてきたシャッターの下敷きになったと見られています。
本件の報道された事故概要を見ると、
警備員・警備会社の対応として幾つかの問題点を感じさせられます。
①シャッター操作における問題点
事故のあったシャッターでは、警備員自らが操作し、挟まれていたことから、安全にシャッター操作を実施していなかったこととなります。
シャッター操作では、挟まれ事故等を防止するためシャッターが完全に閉鎖するまで警備員は動作を見届ける必要があること。
また、万が一挟まれ等が発生しそうなとき、直ちに停止できる状態であるという基本が疎かになっていたことが感じさせられます。
②最終退出口における問題点
報道内容を見ると、事故のあったシャッターが警備員の最終退出する出口であったことが感じさせられます。
シャッターの操作が内部からしか出来ないのであれば、予め最終退出する出口として利用する行為は不適切であり、警備実施時おける詳細内容が大きな問題があったことを感じさせます。
③警備員自身の怠慢の可能性
事故のあったシャッターが駐車場であったことを踏まえると、本来の最終退出の出口が別にあるにも関わらず、警備員はバイクを出してそのまま退出するという行為が常態化していたという懸念を感じさせられます。
事故があった時間が午前1時半という深夜帯であることを考慮すると、警備会社の巡察指導等が行き届いていなかったことを感じさせられます。
事故報道を見て、
警備員が下りてきているシャッターの下をバイクで潜り抜ける行為は論外であることは当然です。
しかし、事故に至る経緯まで考えると、全ての警備員・警備会社で徹底出来ているかと問われれば、難しい点が感じるのではないでしょうか?
普段の警備業務実施の中で、
①のシャター操作が確実に守られているか。
②の警備実施上における危険個所等の問題が発生していないか。
③夜間を含め、単独勤務等の巡察指導は行われているか。
警備開始時点で問題はなくても、年数が経過する中で運用や設備が変更され同様の問題が発生していないか。 など
教育だけでなく、巡察等における警備実施状況の確認。警備実施場所のリスクアセスメントの実施。警備員個々の危険認識の確認など様々な手法を用いて事故が起きない体制作りが必要であることを感じさせられます。
施設警備等で巡回実施おける詳細内容を現場任せにし、会社側が詳細を把握していない場合には、巡察時に同行してリスクアセスメントを行うなど、現場と異なる目線で確認することも必要ではないでしょうか。
会社側(教育指導者や施設警備全体の隊長職などの立場)では、ぜひ一度検討しては如何でしょうか?
末筆ながら、亡くなった警備員のご冥福をお祈り致します。
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