死亡した男性警備員は、東京都中央区の警備会社の契約社員。
東京都世田谷区の私立高校の警備員として勤務。
残業時間は多い月で130時間を超え、発症前6カ月の残業時間は50~130時間であった。
また、心筋梗塞を発症する前1カ月間は22日連続で勤務していた。
警備員の長時間労働問題については、
人手不足の常態化や、低賃金のため残業を当初より見込んで労働時間を延ばす行為が見受けられるなど、長時間労働に関する意識が低い警備業者が多いように感じられます。
労使双方(警備員と警備会社双方)が合意する残業はどの業種でもあります。しかし、過労と呼ばれる長時間労働は人権侵害以外の何ものでもありません。
本件の労災申請は審議前であるため、労働基準監督者が如何に判断するか今後注目されます。
報道されている内容を概ね認めた労働災害となったのであれば、それは単に労災というだけではなく、警備会社は民事損害賠償責任も負うべき重大な内容であると感じさせられます。
長時間労働に関する意識の低い会社で同様の案件が繰り返され、過労で犠牲となる警備員が発生することがないよう、過労死であったのであれば賠償を求めるなど、その責任が如何に大きいものであるかを警備業界に知らしめ、過労死が繰り返されないための意識改革と繋がってもらいたいと感じます。
この手の長時間労働問題を含め警備員の就業環境の改善は、人手不足が深刻となる警備業を改善するための大きな課題となっていると感じさせられます。
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コメント
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2018/10/23 14:15 by 編集
Re: No title
非公開の内容のためコメント内容にかかることは伏せさせてもらいます。
過密スケジュール等が続くなか、疾病や通勤途上での交通事故の話を聞くと、過労による因果関係を考えることがたまにあります。
疾病や事故が軽度ですめばまだ良いですが、コメント内容にあるような案件が過労状態の中で発生すると、取り返しがつきません。仕事で必要ということもありますが、日頃から会社や本人も程度をわきまえた線引きをしておかなければなりませんね。
欠けた穴は助け合いながらも、お互いに無理が過ぎないよう配慮したいものですね。
2018/10/29 23:25 by とある警備員指導教育責任者 URL 編集
No title
急な補勤や臨時の仕事で元々少ない公休が悉く潰れるなど、月跨ぎで40日間無休だった事もありました。
せめて機動隊のような待機時間でもあれば良いのですが、そこの常駐隊はそれもなく、常に何処かの配置で何かの作業をしている状態。
我ながら、よくぞ死ななかったものです。
しかし数年前、別隊の隊員が服務中に病死する事案が発生。
以後は何処の隊も、少なくとも自分が所属する支社管内では、最大でも残業80時間未満で収まるように改善されました。
死亡の事実以外で会社公式発表は一切ありませんが、恐らく死亡隊員の遺族が然るべき所へ訴え出たのだと思われます。
これでも当社は(業界内では)そこそこ大きい会社でして、警備員の労働待遇と会社の大小は無関係なのでしょう。
2018/12/13 15:21 by 施設警備員Z URL 編集
Re: No title
コメント頂きありがとうございます。当方の体調不良等により更新が遅れ、コメントの承認作業が遅くなりました。
異常な長時間労働については、当方でも10年以上前に常態化していた時期があったと記憶しています。
大きな事故が発生し、会社側が痛い目を見るまで改善されないというのは残念な話です。
他社の話を聞くと大手グループ内であっても、長時間労働が常態化している話をよく聞きます。大小問わず業界内全体に渡る大きな問題と感じさせられますね。
次の犠牲者が出ないためにも、こういった風潮が改善されることを切に願います。
2018/12/26 21:53 by とある警備員指導教育責任者 URL 編集