「としまえん」プール死亡事故となったフロート遊具に関する事故は、京都市小学校プールでの大型ビート版により溺れ死亡した事故との類似点があり、その危険性と安全対策を今一度確認することが必要です。

 2019年8月15日に発生した東京都練馬区「としまえん」のプールアトラクション「ふわふわウォーターランド」で発生し、森本優佳さん(8)が溺れた死亡したプール事故。
 その後の報道により大型のフロート遊具により水面に顔を出せなくなり溺れたと見られています。
 フロート遊具に関する事故では、2012年7月30日に京都市 養徳小学校プールで発生し当時小学1年生の浅田羽菜さん(6)が大型のビート版により溺れたと推認された事故と共通する点があり、フロート遊具使用時に遊具の下に潜り込んだ際の危険性の認識と危険性に伴った安全対策が求められます。
 「としまえん」プールでの死亡事故に関する要点としては、
 ・大型のフロート遊具を使用するアトラクション
 ・身長110センチ以上で利用可能だが、水深1.2~1.9メートルと深く、ライフジャケット着用が義務付け
 ・事故当時プール監視員5人が監視していたが、プールの外から監視
 ・プール監視員に事前に相談があり探していたが、定期点検でマット(フロート)下より発見された

 
 ・大型のフロート遊具を使用するアトラクション
 事故が発生したプールアトラクションは、「としまえん」の「ふわふわウォーターランド」の中にある、競泳用プール長さ50メートル×幅20メートルに浮かべた大型のフロート(浮島)遊具の「ビックアイランド」。
 「ビックアイランド」は大きなフロートスライダーや一本橋、ターザンなどが設置されたアトラクション。
 プール用のフロート遊具としては、非常に大きい物が使用され、フロート遊具に下に潜り込めないような安全措置はなされていませんでした。

 ・身長110センチ以上で利用可能だが、水深1.2~1.9メートルと深く、ライフジャケット着用が義務付け
 アトラクションの内容がフロートである「ビックアイランド」で遊ぶため、プール自体の利用制限では水深1.2~1.9メートルの競泳用プールであり、足が届かない身長110センチ以上から利用が可能であり、遊泳能力に関する制限がありませんでした。
 また、利用者はライフジャケット着用が義務付けされており、溺水事故防止に関してライフジャケットが非常に大きな役割を期待した安全対策であったことがわかります。

 ・事故当時プール監視員5人が監視していたが、プールの外から監視
 プール監視員は7人が配置され、事故当時休憩等により5人が監視していた。監視員はプールの外から監視し、フロートの上や水上など利用者と近い場所に配置されていなかった。
 フロート上や水上等に配置がないことでフロートからの転落者に対する直接のフォロー。頻繁な水中の状況確認といった安全措置は行われていなかったと思われます。
 また、プールの外(水上)からの監視では水面の反射。利用者等による波。人やフロートによる遮りにより水中への状況確認が不十分であった。

 ・プール監視員に事前に相談があり探していたが、定期点検でマット(フロート)下より発見された
 午後1時以降、父親より「娘がいない」とプールの監視員に相談があり、拡声器で呼びかけ探していた。発見された定期点検の前となる午後2時前に監視員がプールに潜り捜索したものの発見できなかった。
 その後、午後2時にプール利用者を上がらせて行う定期点検の際、水中点検により発見された。
 発見された箇所は、5メートル×2.5メートル、厚さ30センチの長方形の遊具の下であり、遊具はプールのほぼ中央に設置され、水深約1.75メートル付近であった。
 監視員がいるプールの外から離れた箇所であり、監視員の目視は水面に対して浅い角度となるため水面での反射が大きく見え難く、またフロートが視線を完全に遮っていたことが分かります。


 所感として本件の事故概要を見ると、大型フロート利用に関して安全対策が不十分であったことが大きな事故原因の一つではないかと感じさせられます。
 一連の事故報道をみると、監視員より利用者に対してフロートの下に潜り込まないよう注意がなされていた。という内容もあったことから、フロートの下が危険であるという認識はあったように感じさせられます。
 しかし、その中でライフジャケットを着用し強い浮力がある中でフロートの下に潜り込むケース。特に危険が予測されるケースとして、フロートからの転落時の勢いにより意図せずフロート下に潜り込む。といったケースに対する備えについては、監視員の配置やフロート自体の安全対策を考慮すると不十分ではなかったでしょうか?

 事故の起きたプールは利用者に対して水深が非常に深いプールであり、利用規則にプール内での保護者の付き添いを義務付けしていない以上、施設等へ求められる安全措置の期待は大きいものとなります。

 2012年7月30日に京都市 養徳小学校プールで発生し当時小学1年生の浅田羽菜さん(6)が亡くなったプール事故では、水深1メートルという深さでも大型のビート板16枚を浮かべたことで、下に潜り込み溺れて死亡する痛ましい事故が発生しました。
 この事故では、大型のフロート類の危険性と大型のフロート使用時の安全対策について非常に大きな教訓となるものでした。今回の事故では、こういった過去の事故の教訓が活かされていないようで非常に残念に感じます。

 大型のビート版を含め、大型のフロートを使用している施設においては、今一度危険性を再認識に必要な安全対策が取られることを切に願います。

 末筆ながら亡くなった女児のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

・・・2019年8月26日追記・・・
 「としまえん」は事故後休業していたプールについて、事故のあったアトラクションのあるエリアの営業と大型の浮き輪レンタルを中止。
 その他のプールエリアについて施設の再点検を終えた後、監視員を4人増進するなどして23日より営業を再開。


 2019年に発生したプール事故については、
 プール監視員の道 > プール監視の事故と歴史 > 水難事故の発生件数
 > 2019年(令和元年)プール事故事例の一覧
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