としまえんのプール事故について親やプール監視員等の責任を追求する前にアトラクションプール等の安全管理の難しさが問題です。

 2019年8月15日に発生し、小学3年生の森本優佳さん(8)が溺れて死亡したプール事故。
 事故の原因について未だ調査中ではありますが、事故発生後の反応を見ると事故原因の一つに親の不注意。プール監視員の一部が休憩中であったことなどに関する反応を見かけます。
 プール監視員としての経験から事故状況を推察すると、親が常に同伴することが難しいアトラクションであること。プール監視員がローテンションによる昼休憩や熱中症対策のための水分補給を考慮すると、これらに事故責任の一部を問う反応について大きな違和感を持ちます。
・親の責任に関する反応について
 事故あったアトラクションプールは、水上に浮かべるタイプの遊具。
 足場が不安定な上に高低差もあるため、子供が楽しめる一方で常に保護者が一緒に同伴することは、体格差による周囲への配慮。体力面などから難しい遊具ではないでしょうか。
 また、プールサイドから子供を見守るにはプールは競泳用50×20メートルと大きく、アトラクションによる死角となる箇所。他の子供と混ざるなどして見失い易かったことが予想されます。
 事故はアトラクションから転落した際の勢いでフロートの下に潜り込んだとすると、真に一瞬の出来事。その瞬間を直接目撃していなければ、如何に注意を払っていても親が気付き直ちに救助することが難しかったということが推察されます。
 その中で子供をいないことに気付き、確認を行うなどの行為は、無責任に保護者もいる中で立派であったのではないでしょうか。

・プール監視員の内2名が休憩であったことについて 
 事故が発生したのは午後2時ごろ。プール監視員がローテンションによる昼休憩。熱中症対策のための水分補給等による休憩をを考慮すると、7名中2名が休憩であったことは自然です。
 施設管理者側が監視員7名の人員で通してプール監視を行うように計画していたのであれば、(指示なく持ち場を離れる等の逸脱行為がないことが前提)休憩であったこと自体に責任はないと思われます。
 そもそも運営における安全管理計画について、常時監視が

 当方は今回の水上タイプの大型遊具についての監視経験はないものの、プールに固定されたアスレチック等の監視経験があります。
 プールに固定されたアスレチックについては、下に潜り込み浮上出来ないことで呼吸困難になるというケースはほぼ無いと思われます。
 しかし、それでも設備による死角の多さ。スライダー(滑り台)や激しく動き回る子供同士の激突(遊具を使用する衝突を含む)等による怪我。激突から派生する溺水事故への発展など、一瞬にして深刻な事故へと繋がるリスクがあり、監視行為では気を抜けない危険な施設です。

 事故報道を見て大きな違和感を感じたのは、同種のリスクが大きい施設であり、更に50メートルプールと大きく、遊具も大きいにも関わらず、プールサイドから監視を行っていたという点です。
 遊具に高低差もあるにも関わらず、これでは子供同士の激突による怪我防止。激突を始め小さな事故を含み瞬時に対処することは難しいのではないでしょうか?

 また、水深が深かったことも監視行為に与えた影響が大きかったと感じさせられます。
 水深が浅いと遊具から転落した際、プールの底に足を打ち付けて怪我をすることもあり、ある程度の深さは必要となります。
 しかし、最深部で1.9メートルという深さは、水中に監視用の足場等※1を設置していないと監視員が遊具の側(プールの中)で継続して監視を行うことが困難であったことがわかります。

 この他の設備上の大きな問題としては、遊具下への潜り込み防止対策がなされていなかったという点です。
 設置型の遊具では、危険が予見される遊具の下などの隙間等について予め柵があるなど安全対策がとられています。本件の事故では、競泳用プールに後設置型のフロート遊具であったことが、設備的な安全対策に大きく影響を与えたように思われます。

 利用者270人に対してプール監視員7名配置の5名監視。単純に監視員と利用者の人数を見れば、さほど違和感を覚える数字ではありません。
 しかし、常に事故のリスク抱える施設。遊具やプールの特殊性を鑑みた監視員の配置など、ソフトやハード面に不備があると事故発生時の早期発見や十分な対処が難しいことは容易に想像されます。

 今後同種の事故が起きることが無いよう、事故原因を明らかにし、大型のフロート遊具を設置する際に必要となる安全対策の基準等が示されることを願います。

 ※1プール内の足場設置については、足場自体も下に潜り込む。ズレて足を挟むなど事故原因となることもあり、設置について十分な安全対策が必要となります。


 2019年の主なプール事故は、
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