本施行規則等の改正のうち最も大きな点は、警備員の教育時間に関する改正。
採用時に行う新任教育が30時間が20時間へと3分の2へと大きく短縮。現任教育が年間16時間が10時間へと短縮されました。また、教育期が年度毎へと変更。
教育方法についても、従来の座学と実技に加え、一定の条件を満たすことによりeラーニングを用いる方法が追加されました。
何れも警備会社の負担が大きく軽減される規制緩和となりました。
警備員教育を行う者等を定める規定の一部改正では、警備員特別講習センターの講習会の講師当たりの受講人数制限が撤廃。
警備員検定規則の改正では、空港保安警備と雑踏警備の配置基準が見直され、情報通信技術(ICT)の利用状況により検定合格警備員の必要配置数に勘案されることとなりました。
警備員教育に関する主な改正点は次の通り、
<新任教育>
・一般の警備員(検定資格等の教育時間の免除のない警備員)の基本教育と業務別教育の時間数が統合。
・業務別教育の実地教育時間数は、上限5時間以内かつ実施する業務別教育時間数の2分の1まで。
・一般の警備員(検定資格等の教育時間の免除のない警備員)の教育時間数が30時間以上から、20時間以上に短縮されました。
<現任教育>
・一般の警備員(検定資格等の教育時間の免除のない警備員)の基本教育と業務別教育の時間数が統合。従来、基本教育と業務別教育夫々に必要となる法定教育時間数が撤廃されました。
・教育期が前期・後期の半年毎の区分から1年ごとに変更されました。
・一般の警備員(検定資格等の教育時間の免除のない警備員)の教育時間数が前期8時間以上、後期8時間以上の16時間以上から、年度10時間以上に短縮されました。
・検定資格等による教育時間の免除により業務別教育のみの教育時間数が年度6時間以上に短縮されました。
空港保安警備と雑踏警備の配置基準の見直について、情報通信技術等により検定合格警備員の必要配置数どの程度勘案されるのかは現時点では不明確です。
しかし、従来の配置基準では安易に警備区画分けると資格者の配置義務が伴うため、資格者の不足だけでなく運用面との乖離も見られました。
本改正に伴い、より実務に即した警備計画の立案。運用となり警備実施の改善が進むことを期待したいものです。
警備員教育に関する変更に伴い、関連する備え付け書類「教育計画書」についても変更が必要となります。猶予期間(11月30日まで)中に新たな教育計画書を策定し、備え付けなければなりませんので担当者は注意ください。
本件の紹介にあたり、当サイト閲覧頂いている方からも情報提供を頂きました。末筆となりましたが、情報提供、ありがとうございました。
教育時間数の変更についての一覧は、
警備員の道 > 警備員とは
>
警備員の教育時間数の変更(新旧比較表)関係する官報については(外部リンク)、
インターネット版官報 > 令和元年8月30日(号外 第103号)
https://kanpou.npb.go.jp/20190830/
20190830g00103/20190830g001030000f.html
- 関連記事
-
お役にたてましたなら、応援お願いします。
コメント
No title
今9月ですでに前期の現任してますから、今年度はもうしなくていいということでしょうか。
2019/09/17 09:28 by ぱふ URL 編集
Re: No title
コメント頂きありがとうございます。私自身、教育時間の短縮について懸念を抱いているところであり、心配ですね。
さて、ご質問の件
> 今9月ですでに前期の現任してますから、今年度はもうしなくていいということでしょうか。
現時点で、改正前の行われた令和元年度中の警備員教育時間数について、改正後の教育時間数に計上できるとされています。
このため、検定資格などない警備員が前期に8時間の現任教育を受講していた場合、不足する2時間以上の現任教育を来年の3月31日までに実施すれば良いという解釈になるかと思います。
2019/09/17 21:08 by とある警備員指導教育責任者 URL 編集
No title
これは流石に心配ですね…
現行制度の肝は、教育期を年度前後半に割ることによる
「最大でも丸1年教育を行わず放置」という状況を回避出来る点であると考えて居りましたので。
時間の多寡だけが教育の価値を決めるものでは無いと思いますが、
下手すると「約2年間」放ったらかしの隊員が溢れそう…
2019/09/20 17:39 by 猫乃介 URL 編集
Re: No title
> 「最大でも丸1年教育を行わず放置」
そうですね。今後は優に1年以上教育等がないということは当たり前にありそうです。
改正により、教育等がしっかりしている会社とそうでない会社の差が益々広がりそうです。
所感ながら長期視点で見ると警備業界全体にとって歓迎できる改正とは思えてきませんね。
2019/09/20 22:55 by とある警備員指導教育責任者 URL 編集