労働者派遣事業と警備業の関係

 警備会社が警備員を不法に派遣したとしてニュースになっていました。
 そこで解説がてら、労働者派遣事業と警備業の関係についてを紹介してみます。
 現在、多くの警備会社では労働者派遣事業の認可(又は、届出)を得ていることから、派遣事業を行う警備会社が意外にも多くあります。
 本来、警備業は請負契約であるため、警備業として労働者派遣事業に抵触することはありません。
 よく「警備員を派遣する」と表現されることがありますが、労働者派遣事業とまったく異なるものです。
 これにもかかわらず、派遣事業の認可を取得する警備会社が多いのは、
・元派遣会社が警備業の認可を取得して警備業に参入した会社。
・総合的なサービスの提供という趣旨から、新たに派遣事業に参入した警備会社。
 等等、理由は千差万別ですが派遣事業を必要としている警備会社が多くあるのが実態です。

 今回のニュースで問題点は、
 労働者派遣法では、警備業(正確には警備業務)への派遣を禁じている。ということです。
 通常の警備契約は、警備請負契約により警備会社が自社の警備員を用いて警備を行います。
 この警備実施の為に警備会社から警備員を現場に派遣しているのです。
 労働者派遣法で禁じているのは、警備会社に他の派遣会社(警備会社)から人員を派遣し、警備にあたらせることです。
 大きな違いとして、指揮命令権がどこにあるかで区別されます。
 労働者派遣事業は、
・派遣先に派遣された人員の指揮命令権がある。
 警備業等の請負契約では、
・警備員がどこで仕事をしていても、在籍する警備会社に指揮命令権がある。

 警備契約は、あくまで顧客と警備会社の契約であり、自社の警備員を用いて行っています。
 施設警備等の警備現場では、警備員が顧客から直接要望に応じる必要もあり、だんだん指揮命令系統が混同してくることもあります。
 しかし、労働者派遣事業ではないことに留意しておかないといけません。
 指揮命令権が完全に顧客に移ると、偽装請負契約となり労働者派遣法に抵触します。
 警備が専門の警備会社から、現地で警備業務を行っている。という誇りが大切ですね。
 元記事(外部リンク)
 警備資料 > 警備員の不法派遣容疑 警備4社の派遣責任者4人を書類送検
 http://takayawander.at.webry.info/201103/article_1.html


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コメント

No title

裏代官山の警備会社は、警備員の派遣業務は法律で禁止されているにもかかわらず、研修名目で警備員を都内の別の警備会社(C関連)に派遣して働かせた疑いが持たれています。
警視庁によると、派遣先の警備会社(C関連)が新規の警備業務を請け負った際、人手が足りなったため、つき合いのあった裏代官山の警備会社に警備員を派遣するように依頼しました。派遣先の会社(C関連)では2005年から去年1月まで、100人以上の警備員が違法に派遣されていた疑いがあるということです。
警視庁の調べに対し、裏代官山の警備会社の担当者は「断りきれなかった」と容疑を認めています。

裏代官山の警備会社は2号業務がメインの会社で、1号業務のノウハウはないに等しいです。
1号業務に参入したい裏代官山の会社は、2005年に、C関連の会社からS氏を招きいれ、あの手この手を使い、C関連の会社に、警備員を派遣させていました。
 C関連の会社がどう思っていたのか知りませんが、裏代官山の会社は、1号業務の実績を上げるために、利益が減ろうが何しようが、「断る」なんてことは考えるはずもなく、どんどん派遣させていきました。裏代官山の隊員で1号業務が豊富な隊員はほとんどいませんので、実際、研修も兼ねていたと思います。
 C関連は、当然、違法だと知っていたけどS氏の影響があるうちは無理にでも仕事をまわしてくれていたとは思いますが(人手不足は本当なのかもしれませんが、基本的に裏代官山の警備員のほとんどは2号業務からの転身組ですので、1号のノウハウはないに等しい隊員ばかりです。そんな隊員に依頼するか?)、S氏の退職後は、徐々に撤退させる方向に方針転換をしたと思っていたんだけど・・まだやってたんだ(笑)
 裏代官山の代表者は当然、違法だと知っていて?(笑)派遣させていました。悪質です。
 警視庁OBの方も、裏代官山の会社に何人か途中入社されたのですが、当然皆さん、違法だと知っていましたので、何度も忠告されたのですが、聞き入れられず、全ての警視庁OBの方は退職なされました。
 その後は、警備業界では有名な?リ・マ社のN氏と親密な関係になっていきました。
 当然、N氏も、裏代官山の会社の違法行為は知っているはずですが、金さえ払えば何もいわないのでしょう。
 この顛末はどうなるのでしょうか・・・

No title

どうもです。
 私は警備員そのものではありませんでしたし、直接関わっていたわけでもありませんので、多少、ニュアンスが違うところがあるかもしれませんがお許しを。
 
 実は、C関連というのは、パシフィックじゃないほう(笑)の本体なのか、関連会社なのか、よくわかりません。
 とある派遣先に関しては、裏代官山の既存のの隊員、もしくは、派遣先専門で新規採用した隊員(自社での実績全くなし)を、C関連会社に「転籍」させて(この隊員の指揮監督権はもちろんのこと、給与や社会保険に至るまで、全てC関連会社にする。)いました。
 C関連のほうも、相当危ない橋を渡っていたと思います。

No title

 ・同課によると、裏代官山の社員の男(62)は「違法なことは知っていたが、派遣先の会社の都合でズルズルと続けてしまった」と供述。派遣先の会社は「警備業務を新規に受注したとき、採用が間に合わず人手不足だった」と説明しているという。
 ・裏代官山の会社の送検容疑は、平成20年8月4日から昨年1月7日までの間、計291回にわたって自社で雇った警備員1人を、駅ビルなどで警備業務をする会社に派遣、働かせたなどとしている
 平成20年8月ですと、S氏は退職していますから、C関連のほうから、派遣を止める方向へ具申されていた時期だと思われますが、すでに現場サイドのほうは汚染されてしまっていたようですね。

No title

ふたたびどうも。
警備員じゃなくても、警備会社で働くことはできます。
今は全く関係ありませんが・・・
 参考までに、ある年は、だいたい10人くらい転籍させて、転籍者相当分の売上の約2割が、翌月末に入金されていました。扱いにとても困る入金でしたので、雑収入で処理したのではないかと思われます・・
 ちなみに、本来業務である2号での粗利は、悪いときでも2割5分ありましたので、利益重視というよりは、将来の1号業務参入への足がかりに違法と知りながら、派遣をしていたと思われますが、当初は、2~3年で切り上げるはずでしたが、結局、社内で1号業務の体制が全く整わなかったので、ずるずると派遣を続けていたと思います。対外的に「1号業務もできる」ということはアピールできますから・・・
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